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株式の魅力と魔力をとことん綴るブログです。

クックパッド(2193)にみる企業統治(ガバナンス)の意味

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クックパッドといえば、インターネット上で料理レシピを提供するNo.1サイトとして、ガリバー的な存在の企業です。

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有料会員だけでも192万人を抱えており、会費からする収益の安定性と核家族化と相まって調理情報のニーズは高く、成長性が期待されている企業でもあります。
私も株価が400円の頃、ずっと関心を抱いていました。するとあれよあれよの間に2,500円にまで上がってしまい、いつものことですが、何故買わなかったのかと悔いても悔いても悔やみきれませんでした。

https://chart.yahoo.co.jp/?code=2193.T&tm=2y&type=c&log=off&size=m&over=m65,m130,s&add=v&comp=


一気に6倍にも株価が上がったのですから当たり前です。今後もまだまだ上がるだろうと誰もが夢想だにしませんでした。

 


ところがここで内紛が起きてしまいました。
急激に株価が上がったのは、事業が急速に拡大したからです。
その原動力となったのが、前社長である穐田(あきた)氏です。秋田氏は、カカクドットコムの社長をしており、その経営手腕がかわれてクックパッドの社長に就任しました。
穐田前社長は、クックパッドサイトを通じて、EC事業に進出したり、みんなのウェディングやみんなの不動産などクックパッドの有料会員を他の分野に取り込むとともに、新たな顧客を獲得しようとして、業績も急拡大したのです。
ところがこの行動を苦々しく思っていたのが、創業者である佐野氏です。創業者である佐野氏は、クックパッドの株式を40%以上持っていましたが、税控除のためアメリカに移住しています。
しかし、佐野氏にとっては、クックパッドはレシピ業に専従し、世界標準のレシピサイトを作ることを夢に掲げています。世界にはクックパッドのようなサイトはごまんとあり、なかなか新規参入しにくいのが現状です。
しかし、佐野氏は自分の心情を貫くべく、子飼いの取締役会で穐田社長の辞任の動議案を提出し、可決され、穐田氏はクックパッドを追われる身となりました。
市場はこの顛末をネガティブに評価し、株価は暴落しました。
この社長交代があって、2,500円だった株価は、現在980円前後で推移しています。
株価の価値が40%となっていまったことになります。
そもそも取締役会の議決権もない佐野氏にこのような暴挙が許されるのでしょうか。
クックパッドは、個人商店から企業に変わらなければならない大きな変換点に差し掛かっていると思います。
ここで失敗したら、ぐるなびなど類似サイトの進出を許し、業績は悪化することでしょう。
しかし、今は有料会員に守られ一見経営は安定しているかのようにも見えます。
ただし、佐野氏がこれまで以上に経営に口をはさむと社員のやる気はそがれる一方でしょう。そのため社員の大量退職もあったとも報道されています。

toyokeizai.net


すべての膿を吐き出したときが、株価の反転攻勢のきっかけとなります。
これまでも東芝、シャープなどで痛い目にあってきた私にとって、クックパッドは要注目の株として注視していきたいと思います。